2020.8.21 燕岳
山のこと
この夏はもう一つ山に行った。
燕岳。
夏休みの終わりを受け入れられず駄々を捏ねる小学生みたいに、そそくさと準備を整え逃げるように出発。気持ちに余裕がなかったのか、防寒着といくつかの忘れ物に出発してから気づく。
登山口までもう少しというところで、「今年のテント場は完全予約」の看板。予約してないし。急いでクルマを停め小屋に連絡。なんやかやで1時間くらいのロス。結局、小屋のキャンセル空きがうまく取れて小屋泊に決定。テント場も小屋も通常の三分の一くらいの人数の受け入れだったみたい。
登山道は何度か来たルート。記憶はあまり残ってなかったけど。合戦小屋でスイカを食う。ついでに手拭いも買った。そろそろ行こか、って歩き始めた途端に雨。予報より早い。迷ったけどレインウェアを着てから歩くことした。
徐々に強まる雨。遠くで雷鳴。にわか雨じゃないから、急いで進むしかないなー、と思うものの強雨に。雷も止まない。山頂直下のハイマツ帯は身を屈めながら小走りする始末。なんとか小屋へ。靴から何やら全身びっしょり。だけど無事に着き、一安心。
部屋に案内されてからは、濡れたものを乾かしたり、ケーキ食ったり、土産物物色したり忙しい。小屋内はマスク着用。いちいちウザったいけど今年はしょうがないんかなー。なんやかやで雨が止み外に出る。雲が多かったけど、それがまた様々な景色の変化を生み、小屋の周りを何回も回りながら日暮れまで写真を撮ってた。雨が止むなら強行して進まず、雨宿りすればよかったのか。山での判断ってムズカシイ。
夕飯摂ってから、小屋の親父の講義。歴史とか語りながら。おもしろかった。夜更かしせず眠ったけど、夜中に起き出し星の観察。山での星は今まで散々みてきたけど、この日もひゃーって声が漏れるくらいのすんごい星で、あと一個流れ星を見たら寝よう、って思いつつ、もう少しもう少しってしつこくベンチに寝そべって空を眺めてた。
朝陽を拝むのは寝坊。ご来光から帰ってきた人の物音で目覚める。急いで外へ。雲海が広がり、とんでもなくキレイだった。朝飯食べた後も名残惜しく景色をまた眺める。この山行ではノーピーク。一度決めたらあまり歩きたくない。クマも怖いし。小屋近くでダラダラし後ろ髪を引かれながら下山。
またすぐ来たいなーと思いつつ、下界に降りれば怠惰な日常に溺れそうな予感。けどとにかく絶景に恵まれた今夏最後の山行。
2020.08.11-12 火打山・妙高山②
2日目の話。
朝4時過ぎから出発の準備。メシ。
テントや防寒グッズはそのままデポ。準備が整った5時過ぎに妙高山に出発。
まずは1時間、黒沢池のヒュッテを目指す。
荷物も軽く歩きやすい。軽くアップダウン。2キロくらい歩く。朝5時から元気だなー。
ヒュッテに到着。今年の営業はなし。BESSの家みたいにかわいい建物。テント場もある。ちょい休憩。
こっから外輪山。高度を一気に上げてからガレ場を下っていく。地図には危険マーク。慎重になっている時は事故は少ないものでしょ。ちょいちょい景色を見て休憩。鞍部に到着。こっから最後の登り返し。樹林帯だけど時々陽が当たる。暑い。最後の登り。高度を上げやっと稜線。景色も開ける。頂上到着。初めての山はワクワクした。北峰の奥が最高峰ってことで最後のビクトリーラン。
頂上から景色がよく見えた。温泉の源泉からの煙も。富士山も。佐渡島も北アルプスも。メシ食って1時間ばっかし休憩。このために歩いて来たんだなー。
帰りはデポしたテント場まで3時間くらい。昼前に到着。QOOオレンジ味、400円。夜露が乾いたテントを撤収。山の日が過ぎたためかテントは半分くらいになってた。
帰りの高速からも妙高山の形がハッキリ見えた。
2020.0811-12 火打山・妙高山①
コロナ禍で南アルプスの山小屋の営業は制限。北アルプスは天気不順。条件を考え、初めての妙高山・火打山へ。
前回の反省から、4時半に自宅出発。8時前には登山口へ。サポートタイツとストックを装備。山の日ってこともあってか今回も駐車場は満杯。なんとか路駐。前回の腹痛を思い出したためかまた腹痛。それでも登山届けを出して、入山料を払って登山開始。アルプスほど入山チェックは厳しくなかった。
3時間くらいかけて、まずはテント場を目指す。途中でキレイな川。12曲がりという名の急坂。名前ほどキツくはなかったけど。トレランしてる人に何回かすれ違う。軽快に走り去っていく。家族連れもチラホラ。低学年くらいの子どもとすれ違う時、あと30分ぐらいです、がんばってください、とか元気に言われた。シカト。
予定より早くテント場の高谷池ヒュッテに到着。歩く隙間がないくらい一杯。ムリムリ場所を確保。ヒュッテで400円のペットボトルを購入。下界では味わえないくらいうまかった。
メシ食べて、テントを張って、雲は多いけど火打山へ。登りは2時間くらい。途中の天狗の庭。視界が開けてて、五色ヶ原みたいな。雲の平みたいな。苗場みたいな。池塘があって花が咲いててキレイ。次回はここを目標に来てもいいかなー。その後も高度を上げ火打山へ。ガスの中。佐渡島までホントは見えるらしいけど。
テント場まで降りて、ベンチでダラダラ食べて、ダラダラ本読んで、夕陽が沈むのを見届けてからテントへ。夜中の星がキレイだった。流れ星もいくつか見れた。この日はバファリンなくて久しぶりに過ごせた。
2020.0804-05 蝶ヶ岳①
朝5時に家を出る。夜は空けたばかりだけど蒸し暑かった。高速で4時間弱。登山口の三俣の手前には今日も大量のサルがいた。サルが出てきた、と思ったけど、彼らはいつも、何年もここに居て、急に出てきたのは自分の方だと思い直した。車道の真ん中で向き合って毛繕いをしてたけど、車が近づくと億劫そうにこちらを見ながら道を空けてくれた。
三俣の駐車場は満杯。なんとか隙間に一台滑り込ませた。教習所依頼の縦列駐車。最終準備を整え出発。山岳隊なのか、入口で検温。登山届けも細かくチェック。だけど入山者の数は例年と変わらないみたい。
歩きはじめ。久しぶりの登山のためかしんどい。おまけに腹痛。シンボルのゴジラの木まですごく長く感じた。途中で引き返そうか迷うほど。10キロのザックも重い。もう少し厳選すればよかった。やっとこさ、中間地点の手前、まめうち平に到着。ひーひー言ってたけど、コースタイムを40分くらい巻いてた。
その後もしんどさが続く。こんなに傾斜があったかなーと恨みながら歩を進める。下向いて、ちまちま休憩。そんな道中だったから最後の休憩ポイントを過ぎ森林限界を過ぎ、ヒュッテの赤い屋根が見えたときは涙腺が緩むくらい嬉しかった。キレイですねー、なんて知らないジジィに思わず笑いかけた。[]
まずはテント場の確保。平たいスペースをゲット。受付をしに小屋へ。マスクを装着したり密を神経質に気にしたり。山に来た後ろめたさを多くの人が感じてるよう。ちょっと休んで、景色に見惚れて、それからテントを立て始める。一年ぶりのMSRのテント。生地がパリパリになっててポロポロ落ちてくる。去年も使えばよかった。今年使い切って買い替えか。
後はのんびり。飯食ったり、歯磨きしたり、本読んだり。穂高が正面。サイコーのシチュエーションでの歯磨き。途中で昼寝。呼吸が浅くなると高山病の頭痛が進むってことで、短めに。雲が多く、夕焼けと星空はあまり見えなかった。昼間は暑さが下界とさして変わらなかったけど、夜は寒かった。厚手のインナーとダウンを上下着込んで眠った。
20190817−18 蝶ヶ岳
やり残したことがあった気がする。
不必要なものがあった気がする。
時間の過ごし方はそれがベストだったのか。
山での出来事の話。
人生みたいに自省。
一路、改めて北アルプスへ。蝶ヶ岳。お初。入門的な山。山頂でゆっくりしたかったから日の出過ぎには登山開始。ストックはなし。二本の足があれば。荷物も減らし、前回よりも軽快に。ゴジラ岩。標識が多い。樹林帯が続く。10時前には山頂へ。早かったからテンバもまだ空いていた。端の平らな所で設営。これから24時間くらいここでフリータイム。さんぽしたり山見たり本読んだり。自炊が目的の一つだったけど誘惑に負け、夕食は小屋で予約。宿泊客が多かったからか、ボリュームが寂しい。夕焼け、朝焼けを存分に眺める。槍ヶ岳も穂高もくっきり。
昼間は陽が出て暑かったけど、夜は上下ダウン着用。山の中で過ごす、を目一杯できた今夏最後の山行。
20190814 五色ヶ原④
朝4時発を目指し、暗い中小屋の2段ベッドの上で起床。前夜の内に、着替えも荷物の整理もあらかた済ませておいたからあまり戸惑らなかった。寝坊しないようにと考え夜中に何度も目が覚めた。
小屋に泊まる楽しみの一つがメシ。朝飯も食べたかったんだけど早出を優先し、朝飯を弁当に変えてもらう。ヘッドライトを点けて出発。動物が出ないか、足を踏み外さないか慎重に進む。暗い森を歩くのって探検っぽい。
北薬師岳の手前でご来光。太陽が顔を出し、その後刹那、周りを赤く染める。今旅のハイライト。朝焼けの美しさに息を飲んだ。
朝飯の弁当。おにぎり。これで1000円かーと思いながら包みを開くと、大きくて具だくさん。テンションがあがる。
そんなこんなで薬師岳。デンとそこに鎮座し、その大きさは遠くからでも確認できる。今旅のゴールに相応しい。思えば遠くに来たもんだ。最後のピーク。
そこからは登山口の折立まで下りが続く。富山駅までの最終便が12時40分くらいだった。はやいな。この日の行程も長くなるにつれ最後はへばったけど無事に最終に間に合う。
そこからバスで1時間くらいで富山駅へ。ゆっくり眠りたかったけど3日間のことが思い返される。途中でコンビニ休憩。3日間山にいたからコンビニ内の品物の豊富さは夢のよう。じっくり見て回ったけど本当に欲しいものは見つからなかった。もう少しテント場でゆっくりしたかった。自炊したかった。この道具はいらなかった。もう少し荷物を軽くできた、なんて反省あれこれ。また行けばいいかーと結論づけ帰路へ。