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山と本とか日々のこと。

2019.8.13 五色ヶ原③

五色ヶ原で迎えた朝。
周りのテントからはガサゴソと日の出前から出発の準備の物音がしていた。自分たちにとってはここが今旅の目的地だったから、ゆっくりと起床、支度、朝飯、さんぽ。それでも7時くらいには一通りのことを終えて出発。山の朝ははやい。前日よりも空気が澄んでいて、チングルマも朝露でさらにキレイに見えた。
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この日はスゴ乗越のテント場まで6時間くらいの行程。ガイドブックを読んでイメージはしてきていたんだけど、予想していたよりもアップダウンが多い。山を越え、山を越え‥、下りは真下を見下ろすような傾斜。登っては下り、を何度か繰り返す。f:id:rebone37:20190915064943j:plain
6時間だけの山歩きを終え、目的地のスゴ乗越に到着した時には心地よい疲労感。行動中は簡単に摂れるものしか食べられなかったから、まずは小屋で昼食。カレー。f:id:rebone37:20190915065107j:plain小屋全体がインドっぽい雰囲気。入り口にはお香。小屋番はおだんごヘアを束ねた民族チックな服を着たお兄さん。
次の日の行程を改めて確認し、ゆっくり休むためにテントはやめて、小屋に泊まることにする。f:id:rebone37:20190915065302j:plain夜まで、ゴロゴロしたり周りの登山者と話したり、景色を見たりのんびり。小屋泊まりって自由。楽しみにしていた夕飯。ボリュームがちと寂しかったけど、ご飯をたらふく食べて、存分に歯磨きして、流れ星に願いを込めて、就寝。

2019.8.12 五色ヶ原②

室堂から南下し龍王岳を通って五色ヶ原を目指す。この日の行程は6時間くらい。思えば約一年ぶりくらいの山行。室堂近くは人がわんさか。立山の雄山を目指す人は多かったけど、五色までの道は人が少ない。f:id:rebone37:20190906193615j:plain縦走途中と思われる、下を向いて一歩一歩のっしのっしと歩く登山者を時々追い抜くくらい。f:id:rebone37:20190906193101j:plain黙々と歩く人が多かったけど鬼岳近くで雷鳥を見かけた時は、自分自身に向いている目をお互い少し外に向けて「いやー、雷鳥ですね」「まだ子どもですかねー」なんて穏やかに言葉を交わしたよ。立山カルデラ、黒部湖、御嶽山が遠くに見えると歩を止めて、新調した一眼で写真を撮った。f:id:rebone37:20190906193210j:plain
五色ヶ原に着いたのは1時過ぎ。何年か前に来ようと思って高山病発症でリタイアした場所。f:id:rebone37:20190906193314j:plain募っていた思いを裏切らない景観。チングルマがいっぱい。f:id:rebone37:20190906193913j:plainテント場は広々。隣も干渉されない。満喫しながらも蓄積された疲労からか少しグロッキー。冷えピタを貼って昼寝。冷えピタは神。持ってきたダウンは使わず。夜の寒さはそこそこ。星はそれほど見えなかったけど山の中で過ごす夜はやっぱり格別。

2019.8.12 五色ヶ原①

夏の記憶
20190811
新宿発の深夜夜行バス。山の中に3日。持って行く本をかなり迷う。外したくないし。一度決めたものの結局、直前に新宿のブックファーストに10キロ越えのザックを担いだまま、店内を慌ただしく周り小川糸に決める。(結果的には若干内容が軽すぎた‥。)本を選ぶのって難しい。3日間の本当に必要なモノを考え荷物をまとめることも難しい‥。行き先を決めるのも、歩きながら何を考えればいいのか自問することも‥。
考えすぎるのは自分の性質なのかもね。もう少し問いかけを減らして、時間の流れに身を任せてみようか。新宿を11時に出て、半分くらいの時間は眠れた気がするけど、少し重い体で登山口の室堂には予定通り朝7時に到着。観光の外国人の声を煩く感じながら、少し混雑したターミナルで慌ただしく着替えて、メシ食って、水汲んで、いよいよ旅の始まり。f:id:rebone37:20190905222635j:plain

あしたのジョー

あなたから受け取ったのは。
充足感。ハッキリと満たされた。感じたことがないくらいに。世の中は、きっと生きるに値する。そんな感触。似たような昨日の繰り返しの終わり。

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ありがとう。
おやすみなさい。

豆じゃなくて食事のコト

それはそれは、


ひとつの夢が叶った出来事。
あなたの手の温もり。はじめて知るそれは。初心な中学生のような純粋で本能的なもので。それ以上何も求めなくていい筈なのに、そこから全てを求め始めてしまうような矛盾した甘さがあり。

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先の事は一先ず置いておいて、しばらくはただその事実に酔いしれていたいんだ。あなたの近くにいられた幸福感を。その温度を。その余韻が自分の支えです。

今日という日に。

生きていれば、死ぬほど大切な1日っていうのは増えていくものでしょ。ただ更新されて精選されてるだけかもしれないけどね。

自分の限られた個性の中では紡げるコトバが少なすぎる。
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そこは、
青かったんだ。
人が多いのは嬉しくはない筈なのに、周囲は笑顔が多く幸福そうだったよね。



あなたの中に入ってしまいたいと心の深くから切に思っています。

今日という日におめでとう。

2018.8.20 表銀座③

次の日のこと。

それ以上書くことは、もうあまりないんだけどね。朝までは山々に雲がかからず稜線が見えてた気がする。f:id:rebone37:20180912232912j:plainここの小屋まではどう歩いても麓からコースタイムで10時間は歩かなければならない。紛れのない山の中。そんな場所。だけど星空は燕岳のときの方が多かった。

本当は来た道を引き返し中房温泉まで帰ろうと思っていたんだけど、ここまでの道が思いの外キツかったのと、旅の全体的な行程として引き返すより先に進んだ方が気持ちが盛り上がる気がして上高地を目指す。コースタイムは7時間半。

まずは東鎌尾根に取り付く。f:id:rebone37:20180912233015j:plain直下するハシゴ場が何度か続き水俣乗越。ここから槍へは向かわず槍沢へ降りる。聞いていた通り小石が多く、慎重に歩いたけど2、3回転んだ。槍沢ロッジでイタリア人のハーフの男に目をつけられしばし話して結果的に10分程の休憩。f:id:rebone37:20180912233122j:plain

12時上高地発のバスを目指していたけど、横尾に着いたのが10時少し前。ちょっとキビシイなー、と思いつつ徳沢ではコーヒーソフトを食い、f:id:rebone37:20180912233218j:plainとにかくズンズン歩き続け15分前くらいに上高地へゴール!

バスで新島々駅へ。そこから電車で松本駅大糸線に乗り換え穂高駅からまたバスで中房温泉へ。3日間で歩いた距離を引き返し無事にスタート地点へ。上高地まで頑張って時間を詰めたお陰でクルマのピックアップまでスムーズに進んだ。f:id:rebone37:20180912233313j:plain

帰りの電車内では景色を仰ぎ見て、旅を振り返ろうかなんて思っていたけど、車内からの山は若干雲が多く、スマホばっかいじってた。縦走は気持ちよく、初めての道はやっぱりワクワク感が高まった。
そんなこの夏の縦走のハナシ。